2021年11月9日
しばらく剣術指導の記録を書いていませんでしたが、この間、会場が使えなくなったり時短でやらなければならず、1時間しか使えないことも多かったです。そのため指導量少なくなってしまっていましたが、ようやく会場が3時間使えるようになり、ほぼいつも通りの稽古が行えるようになりました。
とはいえ11月は予定されていた明治神宮の古武道演武大会が縮小され、参加できなくなったりと、まだ感染症の影響は続いています。
そんな中、11月9日まで3週連続で稽古を行うことができ、1回1回がある程度の密度で稽古できるようになったように思います。
目次
1章:初心者への抜打ちなど基本練技の指導
いつもの調息法から抜刀術までの鍛練を行った後、ようやく基本練技まで進んだKさんの指導。
3種類ある抜打ちは抜刀術の基本技となる重要な技ですが、まだ刀の扱いに慣れていなかったのもあり、まずは納刀の仕方をしっかりと一緒に稽古しました。納刀の仕方は、まず初心者のやり方を覚えてもらう必要がありますが、これだけの動きでも、どうしても慣れていないとあるポイントを正確にしようとして、他のポイントがおろそかになる、ということになります。
そのため、1つ1つの意識を積み重ねて複数のポイントが守れるように、丁寧に行いました。
納刀の正確な動きが身につけば、抜打ちの鍛練がずっと行いやすくなるため、地味でもしっかり練習することが大事です。
それから抜打ち3種に進みました。
同じく初心者のTさんは、非常に覚えが早く動きもすぐに正確にできるようになりました。10月から11月にかけては、前八の基本練技を移動しながら行う稽古を行い、それから抜刀術の1本目に入っていきました。
このように覚えが早い方へ指導する場合は、すぐに覚えるからとどんどん先に進みすぎないことが重要だと考えています。
1つ1つの技を稽古する回数は人それぞれですが、やはり1つの技をしっかり繰り返していかなければ、無意識レベルで正しい動きができるようにはならないからです。
重要なのは稽古の中で正確に動けることではなく、真剣勝負という非常に高い緊張度の中でも、思い通りの動きができるようになることです。そのためには、繰り返し繰り返しの地味な練習が非常に大事になるのです。
私も、覚えが早い方にはつい先を教えたくはなりますが、時間をかけて稽古する意義をしっかり説明しながら丁寧に行っていきたいと思います。
2章:組太刀の稽古
すでに長く稽古されているお二人には、抜刀術の修正後に組太刀に入ってもらい、後半は私も入って稽古するようにしています。3時間稽古できるようになったため、1つ1つの技を丁寧にチェックしながら稽古する余裕ができてきたように感じます。
10月から11月にかけての稽古では、一刀、小太刀、二刀合口をバランスよく稽古していましたが、最初は特に小太刀の稽古を行っていました。流れは覚えていても、まだ正確にできない技があったため、一緒に動きを確認しながら稽古しました。
11月には五法(という一番最後に習う二刀の型)の稽古も軽く行いましたが、五法については、まずは二刀合口の型をしっかりできるようになってから稽古しなければ難しいです。そのため、動きの確認レベルにとどめて、しばらくは二刀合口の1つ1つの技の質を高めていくことに集中したいと思います。
3章:今後の稽古について
組太刀を繰り返し行う中で、下記のような点をより強化したいと感じています。
- 「ねばり」を効かせること
- 手の内の強さ
- 入り身(もっと近間に入ること、一重身の姿勢で身体の重みや力のベクトルを揃えていくことなど)
- 受けた時にもっと相手に圧力をかけられるようになること
これらについては、型の中からその動きを取り出して、その部分だけ繰り返し鍛練するような形で毎回行うようにしようかと考えています。
弱い部分を強くできれば、より質の高い組太刀の稽古ができるようになるでしょう。
11月には、怪我でしばらく休んでいたOさんが顔を出すなど、良い出来事もありました。みなさんそれぞれのペースで稽古ができているようですので、もっとみなさんが上達していけるように指導も工夫していきたいです。