剣術指導記

剣術指導の覚書(4)

2021年11月24日

2021年11月23日

今回の稽古では、参加者は3人。長くやられている方2人と初心者の方が1人(あとリハビリがてら来ている方が1人)。私が指導しているような剣術の稽古では、このくらいの人数が指導しやすいです。

どうしてもマンツーマンじゃなければ伝わらない部分が多いため、1人に1時間とまでは言わなくても30分くらいはつきっきりで指導しなければ難しいです。

最近は、稽古時間も1回で3時間くらいは取れるようになってきたため、順調に稽古が進んでいます。

いつも通り、最初は二天一流を身に付けるための身体創りを行う前八の鍛練を行い、それからそれぞれの進度に合わせた稽古を行いました。

1:初心者Tさんへの抜刀術の指導

初心者(とはいっても入会から1年以上経っていると思いますが)のTさんは、最近は抜刀術を稽古しているため、今回もこれまで行った抜刀術の動きの確認を行い、それから新たな型を指導しました。

そもそも、抜刀術とは一人で行う刀を使った技のことで、我々兵法二天一流玄信会では10本の型を稽古しています。10本の型はすべて前八・基本練技で行う抜打ち3本の変化技になっているため、前八でしっかり抜打ちが身についていれば、抜刀術も鍛練しやすくなります。

Tさんの場合、前八の鍛練で行っていることがある程度身についているため、抜刀術もスムーズに稽古が進んでいます。

今回、新たに指導したのは5本目切先返と、6本目の受流です。

5本目については、一太刀目をしっかり斬り上げることと、二太刀目までを一拍子として行う所を指導しました。この動きは、最初は二拍子になったり、一太刀目が小さな動きになってしまうことがありますので、注意すべきポイントを指導しました。これをゆっくりでも一拍子でできるようになれば、切先返しという技そのものをレベルアップさせることができると思います。

また、三太刀目に移行する時に、腕で刀を振り上げるのではなく、身体が前身する力を利用することもお伝えしました。当流の動きは全般的にそうですが、自分の身体を固定した状態で刀を腕力で扱おうとすると、威力のある技ができません。そのため、身体が沈む力、前進する力、それらの反動で刀が浮き上がる力などをうまく使って振るポイントをお伝えしました。

このように、一つ一つのポイントに注意して鍛練することで、抜刀術を通じて二天一流の技全般を高めていけます。

6本目については、身体を大きく沈み込ませ、その力を使って敵の胴を切るという部分がななかな難しいです。この動きは、軸をその場から前後左右にずらさないようにしつつも、ストーンと体を落とし姿勢自体は大きく前傾するような形になります。姿勢は崩しても軸は崩さないというのが難しい点ですが、それを鍛練するのがこの型の一つの目的です。

他にもいろいろな点を指導しましたが、指導しながら自分でも基本に立ち返ることができるため、有意義でした。

2:経験者2人との組太刀と鍛練の指導

東京で稽古会を始めた当初から参加していただいている2人は、抜刀術の改善点を軽くお伝えした後、組太刀の稽古を行いました。

今回もいつも通り修正点などをお伝えした後、今回から新たに組太刀の一部について鍛練を加えて行うことにしました。

  • 勢法一刀之太刀の数喜での打ち合った後の形での押し合い(ねばりをかける鍛練)
  • 勢法二刀合口の漆膠之突で押さえた後の形での押し合い(一重身で相手を崩す鍛練)
  • 十字愁猴之身の十字受けの状態での押し合い(十字受けでねばりをかける鍛練)

これらは、相手と刀を接した状態で相手を崩していく動きであり、繰り返し鍛練しなければなかなか身につきません。一人稽古も重要ですが、やはり相手を付けて行った方がそれぞれの感覚を鍛練しやすいため、これからは毎回行うことにしました。

それぞれ、ねばりをかける感覚や、一重身で相手を崩すという目的はありますが、それだけでなく、

  • 手の内を締めること
  • 土台や体幹の力を下筋を効かせた状態で、剣先まで伝えること
  • 土台や体幹の力、使い方、力の方向の揃え方
  • 微妙な姿勢の違いによる力の伝わり方の違い

などを学ぶことができる鍛練です。

私も、宮田先生との練習で何度も行った経験があります。当時の私ではとても宮田先生を崩すことはできませんでしたが(多分今も)、正しい姿勢や力の入れ方などを理解でき、とても良い鍛練でした。

経験者組との鍛練は、より1つ1つの技・動きを丁寧にしていくことがこれからのポイントになると思いますので、他にも鍛練すべきポイントを見つけたら、それを取り出して集中的に鍛練するようにしていきたいと思います。

3:今後の鍛練について

今後、しばらくは現在のやり方で鍛練していこうと思っています。

初心者の方については、最初は一人型、一人稽古ばかりになってしまいますが、上記の組太刀の中の重要な要素の鍛練の一部や、基本練技を打太刀を付けて行うような、二人稽古も取り入れていって良いような気もします。

また、私自身も実力を向上させていくために、指導だけでなくもっと稽古に参加し、技を磨いていきたいです。

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